CJ MTB 2019 6/8,9 前橋 観戦記 その3

Coupe du Japon MTB 2019 前橋　観戦記　その3

XCC このフォーマットはシクロに近いと思っていたが、今回見ていてそれともちょっと違う気がした。たまたま力の均衡した人が集まったからなのかもしれないし、コースの特性からなのかもしれないが、先頭パックが大きいイメージ。先頭に立つ人がコロコロ変わって面白い。

後方では単独走、２人パックなど様々だけど、協調して引っ張り合って前との距離を縮めていくなど、普段見るXCOとは違った駆け引きが見られた。ド平坦でXCOッぽくないと思ったコースの特性故のことなのだとしたら、これはこれでXCC向きのコースなのかもしれない。

Day 2 XCC

Men Elite

１位 佐藤 誠示

２位 合田 正之

３位 代田 和明

Men Junior

１位 高本 亮太

２位 後藤 大地

３位 杉山 南

Men Masters

１位 斎藤 朋寛

２位 岡部 智仁

３位 余語 賢司

Men Youth

１位 高橋 翔

Men Advance

１位 岩崎 基規

２位 詫間 啓耀

３位 野嵜 英樹

Men Challenge

１位 鈴木 来人

２位 圓山 浩晃

３位 岡田 紀彦

Men Challenge 20分

Men Masters / Youth / Advance 30分

Men Elite / Junior 40分

XCEとは一緒に走るクラスが変わる。戦前の展望ではこれを読み違えていたので、抜けた感じになってしまった。そして、一番の注目点を書き逃していた。Youth高橋翔はどこまでやらかしてしまうのか。

Men Challenge

鈴木来人。2019CX世界選手権に出場した実力者はやはり強かった。落ち着いたレース展開で地力の勝利だったね。おめでとう。

レースは、序盤、江川樹一郎が積極的に前に出て、江川、圓山浩晃、来人、岡田紀彦、飯田貴之の５人パックに絞り込む。圓山、来人と先頭を入れ替える間に江川と飯田が遅れ始め、中盤は圓山、来人、岡田がパックでレースを進め、終盤残り３周になって来人がペースを上げて抜け出ると、あとは後方との差を見てコントロールして危なげなく勝利。CXで世界に行くだけあって、この辺りは堂に入っている。次レースからジュニアに特別推薦枠で出場。レベルが高いジュニアでどんな戦いを見せるか楽しみだ。

２位は麒麟⼭圓山。３位にはミンズー岡田。遅れた２人江川、飯田がパックで４位５位。齋藤和輝は下松仁を引っ張って６位。１日で72Pを獲得。引っ張られていた下松は７位で、二日間で156Pを荒稼ぎしランキングを３位にあげた。昨年の昇格ラインまであと20P。XCEでの優勝が大きかった。

Men Masters / Youth / Advance

ここの目玉は、CXでも活躍する巨人斎藤朋寛とYouth高橋翔。図らずもその２人が力を見せつけるレースが展開された、

まずスタートから飛び出したのは翔。先頭を牽く力を最初から見せつけた。序盤は翔、巨人斎藤、余語賢司、浅井秀樹、岡部智仁、叶英樹、菊地省吾、詫間啓耀、岩崎基規の９名パックと野嵜英樹を先頭とする第二グループにきっかりと分かれる。この間が絶妙すぎでカメラマンを惑わせる。間があくと次を撮りに行きたくなってしまうんだよねw。

最後は２、３人の勝負に持ち込みたいからふるいに掛ける、それだけでなく有力な選手をちぎってしまいたいということで、誰がどこでアタックを掛けるかが面白いところ。有力選手がバックの後方に居るときに、自分より弱いけど一緒にパックを形成して走れるメンツを引き連れて抜け出し、綺麗に仲切れを作るとライバルを最終局面まで持ち越すこと無く落とすことが出来る。……なんて事を考えながら走っているらしい。

後方集団は野嵜、小口敦、森下奏、高木倫太郎が前に出て展開。その時は分かっていなかったが、先頭パック９人はユース１人、マスターズ６人、アドバンス２人の構成。後方集団のアドバンスには３位表彰台争いが掛かっていた。小口敦はマスターズなので、野嵜、森下、高木は３位争いをしていたのである。あの状況でそれを把握していた人は居ないだろう。

中盤、根負けしてXCEアドバンス２連勝のNESTO詫間が遅れ始める。これで８名パック。先頭を巨人斎藤朋寛が引く時間が長くなっていた。淡々と走っているように見えてペースの上げ下げしているのだろうか。っと思っていたら終盤に入ったところでするするとスパート。２番手には余語がつけていたが必死になっても追いつけないといった感じ。足を溜めて溜めてというので無く、前を引き続けていた上での仕掛け。余裕があってのスパートに見えた。見通しの効くコースなので一定の差がついてしまえばあとはクルージングだ。優勝おめでとう。

残り数周のレース行方の注目点は必然的に２番手争いへ。Youth翔が出る。いったんはパック最後尾を走る時間が長くなり、少し遅れ気味になりチームメイトの岩崎に引っ張ってもらっているようなイメージもあったが、残り数周になったところで２位集団の前に出る。その辺りから周回遅れが絡み始め２位争いの流れが掴みにくくなるが、後方を離し気味で単独走になり２位の座を守りきってゴール。Youthはもちろん優勝。おめでとう。

周回遅れの絡みでトップ巨人斎藤、２位の3up.翔以外の順位はまったく掴めなくなっていたが、岡部がパックの中で溜めて走り続けて最後に抜け出て全体３位、マスターズ２位。ずっと２番手でトップを伺っていた余語が全体４位、マスターズ３位表彰台を決める。

アドバンスは１位3up.岩崎。Youthと3upダブル優勝。Eliteの3up.合田正之の優勝に期待が掛かる。２位には先頭パックからこぼれながらも後続に追いつかれること無く１人でしぶとく走り続けたNESTO詫間。

そして、３位争い。野嵜が案外天然？な所を見せて、XCEのゴールで終わったと勘違いして、ヘアピンを曲がらずに直進。応援する子供達の悲鳴、助言、罵声？で事態に気づきUターンしてコース復帰してゴール。笑いに包まれた。だが、全員知らなかった。４秒後にアドバンスピンクの倫太郎がゴールに到達していたことを。あと４秒気づくのが遅れていたら、野嵜は表彰台を逃していたのだということを。そして、XCEでビンディングが外れて踏み込めず２位に甘んじた倫太郎は、ここでもあと１つが越せなかったw。

Men Elite / Junior 

私が勝手に盛り上がっていたのが、佐藤誠示優勝だと2019ナショナルランキング１位になる。ライバルはさら足(今回XCCのみ参戦)の合田正之。

プロ野球でもそうだけど、試合の結果以外に優勝マジックがどうだこうだとか、2000本安打達成だとか、完全試合だとか、首位打者とか、蓄積されたデータを使ったいろんな楽しむポイントを持っている。そんな楽しみ方、楽しむポイントを見つけていきたいなと思ってるのだが。。。

サラリーマンライダーがナショナルランキングで一時的ではあれトップに輝く。それはそれで記念すべきこと。それが、このレースの優勝の一点でのみ成立する。そして、誠示は昨年のXCC王者であり可能性は低くないが、XCCのみに掛けてきたライバルがいる。そこにドラマ性を感じたわけですよw。

序盤からぐいぐい引き合い、トップのパックはどんどん削られ、落ち着いたところでパックは７名。澤木紀雄、合田正之、高本亮太、佐復真人、代田和明、後藤大地、そして、佐藤誠示。亮太と大地はジュニアなので、ドラマの重要人物は５人に絞られた。

大地が遅れ、真人が遅れで５名パック。大地は後ろから追いついてきた小林優斗と２人パック、その後方にはPAX霜山誠一、石黒大樹のPAXパックが控えていて、中盤はこの２つのパックの攻防も注目を集めた。結果、気心知れたPAXパックが優斗大地パックに追いつき、４名パックになって終盤に進んだ。

誠示、3up.合田、紀雄が前を引き合い、和明、亮太が後ろで溜めているイメージで進んでいたが、終盤局面に入るときに突如紀雄がペースを落とす。足がつったようでパックのペースについて行けず脱落してパックは４人に絞られる。

和明も最後尾が定位置になるようになり次第に遅れ始め、誠示と3up.合田のつばぜり合いを亮太が虎視眈々と後ろから伺う展開へ。亮太はジュニアなのでドラマ的にはもう予想通りのクライマックスへ突入だった。

そして、ラスト１周。ここで溜めていた亮太が仕掛ける。最後の１周に掛けていたのだ。林の中間でトップを維持し続けていたが、一番高いテーブルトップからの芝直線で誠示がアタック。XCEビッグファイナルで紀雄が佑太を交わした同じ場所。亮太はなすすべなく交わされてトップを譲る。パワーだけでなくテーブルトップからのスピードの乗せ方に違いがあるのだろうか。それくらいあっさりと誠示が抜き去った。

そして、誠示が力強くゴール。XCCの優勝と同時にナショナルランキング１位の座を獲得した。おめでとう。

亮太は仕掛けが早すぎたか、どこで仕掛けてもパワーに跳ね返されたか、悔しい２位。ドラマ上のライバル3up.合田は3位、エリート２位でゴール。自身の優勝だけでなく3up.の３クラス優勝も逃す。残念。そして、不調を訴え続けていたよしこの旦那、和明が久しぶりの登壇。これが良いきっかけになって好調に繋がるかな？

いやー自分でネタ作って自分で盛り上がっちゃったwww。ワクワクするドラマをありがとう。

以上、まだ書きたいことあるけど、はやく一里野書かなきゃ。