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洒落にならず [MTBツーリング]

ちょっと反省の意味もあって、ちゃんと書き残そうと思う次第であります。

今から思えば、ちっと軽率だったなぁ。
ほんと反省。

トレイル整備。
himitsu20121208.jpg

トレイル走ってきました。 

で、整備したトレイルの続きに参加してきました。
山の頂上からだーーーっと降りてくるトレイル。

この前手伝ったのはその中間のトレイル。
そして、今回は最後の区間と言うことだった。
つまり、今日手伝えば最後までいけるぞっと。^^

9:30に集合、そこからリーダーの車にのって、トレイルの入り口に。
下草刈り、邪魔な木の排除、そして、横枝の排除とトレイル上の落木排除。
人数が少ないせいか、作業はあまりはかどらず、入り口から1km程度で終了。
残りはまだまだある。

でも、もうあと少し、ということなので、次で完了と言うことだった。

地図ももらって、山の頂上からのルートも把握。
確かにあと少しに見えた。
今日の作業の終了地点から先も、下草が深いだけでルート自体ははっきりしているという。
明るければロストすることも無いだろうと言う。

これでいけるかもと思ったのが甘かった。

一人で初めての山に入ることの不安はあったモノの、せっかく来たのだから走っておきたかったし、地図を見る限り途中で登りにならなくて、「ただ」降りるだけ。
ゆるい尾根の頂点を下っていくので、そんなに迷うことも無さそうだったんだ。

でもね。
地図上は山道として書かれているものの、事実上は廃道となっていて今回の作業でやっとこさ道の体を成していくルートだというのも実感していた。
里山に入る人が減って、地図上ははっきりと道があっても、実際には全く道としての痕跡の無くなっているところも少なくないのだ。
まさに、そんなルートだったんだ。

作業後、昼飯をご馳走になって、集合場所に戻り、別れるとそこから、チャリに乗って林道を辿って山に入る。
スタート14:20。本来なら知らない山に入る時間ではない。
冬の山だから16:00には降りてきているべきだからね。

でも、なぜだろう。
行かなきゃ駄目だという気になっていた。

登り角度一定の、気持ちの良いダブルトラックをひたすら登る。
ギアの歯は一枚か二枚残す感じ。
ふるさとの森の二段坂手前のダブルトラックに似ている。

やっぱ、時間が無いので山頂を目指すのは諦め、途中をショートカットして、この前の中間トレイルの入り口まで行ってしまうことにする。
登り登りのGPSの表記は5.1km、登坂量350m。
時間も縛られていて一気に登ったのでいやーー疲れた。

本来なら下りのトレイルに備えて充分休憩するのだが、もう、日が傾いていて、速攻トレイルへGO

trail20130112.jpgtrail20130112_1.jpg

この前整備したトレイルは路面も落ち着いて、とっても気持ちいい。
ちょーグッド。

trail20130112_2.jpgtrail20130112_3.jpg

が今回整備したトレイルへの繋ぎ移動中。
尖った石にヒットして プシューーーーー。
朝、チューブ交換して予備が無かったので、パッチで修理。
てへへ。しゅこしゅこ。手際かなり良くなったぞ。

が、ここでの、時間のロスは、予定外。
今から思えば、此処で引き返して、この前と同じルートで林道を戻るのが正しかった。
だって、
trail20130112_4.jpg
もう日が落ちる時間になっていた 。
これから知らないトレイルに入る時間では無いって事。

でも、残り3km程度。下るだけなら10分かそこらだ。
不安は少しあったモノの行っちゃった。

完全下りのトレイル。
入ってしまった以上、引き返すのは辛い。
とにかく、ロストだけはしないように慎重に下る。

今日、作業した終点まで来て、流石にヤブが深くなる。
入ってすぐは何処がトレイルかははっきりしていたが、
1kmくらい進んだところで、選択肢が現れる。
地図上ではちょっとした山頂で、そこから何本もの尾根が出ている。
もらったルートではそこから一番右の尾根を選択するとある。
とりあえず一番それらしい一つ目の尾根を下ってみるが倒木が激しく、ぜんぜんルートが見えない。
一旦引き返し、その左の更に緩斜面の尾根を進むも、一本目より更にヤブが深い。
三つ目、尾根の向き的には少し北側に出ていたが、ちょっとヤブを掻き分けると人の手が入った跡が有る。
よし、此処だとばかりに下る。

下る下る。
が、すぐにチャリで降りるにはきつい斜面になる。
しかも、地図の尾根の向きとお日様の方向からして、少しずつ北側にルートがそれていくようだった。
でも、地図上は尾根がそれぞれどこかのルートに繋がっていて、地図上の一番北側の尾根でなければ道が無くとも何とか下山出来そうだった。

行くぞ!!と決意して、もう、この道を戻れないと思いながら、下っていく。
斜面というより崖。
チャリを杖代わりに、ずるずると滑るようにして降りていく。
が、いよいよ尾根が北向きになって、急斜面がきつくなり、人の手が入った形跡も無くなる。
目の前の斜面が更に急になって、立ち止まって落ち着いてGPSで位置を精測。

最悪のルートに入ってしまったのが分かる。

 
尾根の向きは間違っていなかったが、一本東側だった。
最初に入った尾根道の先に目的とする本当の山頂がもう一つあったのだ。
倒木が激しくて見分けられなかったが、その先にもう一度上るラインがあったという事。
その山頂まで行って右に下るのが本来のルートだったのだ。
つまり、間違って一つ手前で曲がってしまった。

この道を戻るなんて無理だと思って降りてきた。
でも、地図を見ても先に進んでも沢があるだけ。
等高線間隔では、この斜面がずっと続いていくようだからこのままずるずると落ちていくのは可能。
でも、これ以上暗くなって冬の沢を下るなんて出来ない。

そう思ったとき、突然、両足が釣る。

 

絶望的な状況になって、身体が本能的に緊張したのかもしれない。
それに伴って、心拍数が上がり、呼吸も落ち着かなくなる。

日が山の向こうに落ち、まだ空は明るくはあるモノの、これから一気に暗くなることは感覚的に分かっていた。
そして、日差しが無くなって、冬のしーーーんとした寒さが一気に襲ってくる。

やべーーーーーーーーーー。
パニック。


斜面を登ろうとするが、体重に任せてずるずると落ちるように下ってきた斜面。
足がつっている状態では身体一つ分登るのに五分かかった。
体力の消耗も半端無い。
そんな間にも、まわりはどんどん暗くなっていく。

現在地は掴めたから、等高線に乗って、緩斜面のある尾根に乗り移るという選択肢もあった。
ただ西側の谷は倒木が多く日陰なので既に真っ暗に見える。
もう一つ、チャリを持って登るのは無理でも身体1つなら何とかなるから、一旦チャリを置いて身一つで下って来た道を登って戻るという選択肢もある。
まだ、死に直面しては居ない。
それは分かっていたんだけど、絶望感は大きかった。
というよりも、慎重にを心掛けていながら、こんな状態にまで自分を追い込んでしまった自分に失望していた。
今から思えばパニクってたんだね。

そんな中で、今までアンテナが立たなかったスマホのアンテナが立っているのが分かる。
電池の残量は42%。
出掛けるときは100%
アンテナが立たないところにいた所為か、減りが早い。

落ち着くために、娘に電話。
道に迷ったから、ちょっと帰りが遅くなると言うと、馬鹿!と言って切られてしまう。
これが最後になったらどうする気だよ と思うとどーーーっと気持ちが落ちていく。
こういうときに「最後」なんていう言葉を心の中でも使っちゃ駄目だね。

ふとしたことで落ち着きを取り戻し、その瞬間にたくさん考えた。そして、 

登って戻る。
体力の続く限り登るしか無い。
記憶がまだしっかりしている内に、今来た道を戻るしか無い。

そう決意したモノの、パニクっている自分も信用出来ない。
チャリ仲間に電話する。
当然のごとく来た道を戻ることを勧められる。

よし。
間違ってない。

一応、トレイルを一緒に整備した人の電話番号を聞き、メールを送ってもらうことにして戻る。
ロストしたところまで戻って、まだ、日が残っていれば、そこから先の道が分かればと思ったからだ。
だが、日が落ちるのが思っていたより早く、また、電池の減りも早くて、メールを受け終わった時点でまわりは暗くなってヤブの先はもう見えない状態になっていた。
新たに正しい道を聞き出してもまたロストするのは目に見えていた。
携帯の電池残量も一気に23%まで落ちていた。気温が下がっているせいかもしれない。
携帯の使用は極力避けることにして、省電力モードに切り替えリーダーさんに電話連絡するのは止めた。
もっと差し迫ったときのことを考えられたしね。
スマホの予備電源が必要だと感じた。

そこからは、身体一つ分の高度あがるのに五分を繰り返して、急斜面を愛機と一緒にあがっていく。
自分一人が登るのも難儀な斜面。
下るときは重力に任せて全く気にならなかったのに、なんてことは無い細い木がチャリに引っかかり戻ることを邪魔をする。
木と重力に対抗しようと踏ん張ると足がつり、一つ所に二十分近く足止めを食らったときは、愛機を置いていかなければならないのだろうかという諦めが何度も訪れた。

何度もトライして跳ね返され、気がつくと、もう、真っ暗。
サドルバックにつけてあったテールライトが木に当たったのだろうか、いつの間にか勝手に点灯していた。
愛機が、一緒に連れて行けと言っているように思えた。

連れて行くぞ!!!

行くと決めたら迷わない。
せっかく登った斜面を1度下って別のルートで登ることでそこをクリアすることに成功。
やったーーー。

ただ、木の無い分、急な斜面を一気にチャリを担いで登ったので息が切れる。
息を整えるために仰向けになっていると、今度は、何かの生き物がそばに居る感覚。
日はすっかり落ちて、空には月が無くて、まわりは真っ暗。

たぶんイノシシかなんか。
ぶひっ て聞こえたから。

わーーーーー。おーーーーー。大声出した。
死にものぐるいの大声。
ざざっざざっと逃げていく音。
正直、暗闇の中で、人間は弱者ですな。
完全パニクったよ。

じっとしていては他の野生動物と出会う確率も増えると思い、先を急ぐ。
もう一つの自然の木で作られた難関(下るときはどうやって抜けてきたのか今でも疑問)を越えると、そこには人の手が入った形跡があった。
赤いペンキの塗られた木。
記憶の有る場所。^^
改めてGPSデータを精測し地図上で現在位置を確認。
まだまだ50mほどの高度をチャリを担いで登らなきゃならないが、行く手を塞ぐ立木などの障害物は無くなった。
一気に緊張レベルが下がった。

登り始めてから、もう1時間半が経過していたが、先が見えると人間というのは此処まで現金かと言うくらいちゃちゃっと話が進む。
足がつっていたことさえどこかに行ってしまったし、心拍数も普通に戻る。

trail20130112_5.jpg

パンク修理後の見晴らしの良い場所での3時間後の絵。
いやぁ。真っ暗^^;;
こんな絵撮っとけば、あとで良い比較になるぞ、なんて考える余裕も発生していた。

そこからはひたすら林道を上り、そして下り、駐車場へ。 


やっぱ、不安を感じたらその先に行っちゃいけないね。
ちょー反省した1日でした。 


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コメント 8

t.shige

ご無事で何より。

私、以前、落車したり、パンクしまくったりのさんざんなサイクリングをしたことが有ったのですが、その時、ある人に、
「一家の大黒柱が簡単に転んではいけません」
と言われたことが有ります。

お互い、気をつけましょうね。

自転車は楽しく乗りましょう。
by t.shige (2013-01-14 04:43) 

すんぷ

結果オーライだけど、今回のはちょっとやばかった。
思わぬ転倒で骨折したりして動けなくなるというパターンだってあるんだから、単独ライドは慎重に慎重を期さなければならないんだよなって。
・午後からの山入り。
・冬。
・電波の入りが悪い。
・初めての山。
どれ一つ取っても行くべきでは無かったなと今なら思える。
あと少し進むだけなら……、慎重に行けば……、って、まだまだ人間が出来てないなぁ^^;;
by すんぷ (2013-01-14 06:09) 

yakko

お早うございます。お越し頂きありがとうございます。
ご無事で何よりでした。(^。^)
by yakko (2013-01-14 08:30) 

ほがしぃぶるー

大変な体験をされましたね…

単独のライドは慎重に…
ついつい、楽しいことが先に頭に浮かんで、リスクがどこかへ隠れがちになりますよね。
私も気をつけます。
by ほがしぃぶるー (2013-01-14 19:24) 

tsun

ご無事でなによりです。
山へ入るときはそれなりの装備は必要ですね。
私も一人のときは特に徹底したいと思います。
by tsun (2013-01-14 21:38) 

すんぷ

yakko3 どうも〜無事帰ってこれました^^

ほがしぃぶるー3 いやぁ やっちまいました。
年末年始の遭難報道に古賀志山が含まれているのを見て笑っていたのですが、まさか、自分がその一歩手前まで行ってしまうとは思っても居なかったっす。
パニクったときの体力消耗ってやばいっすね。
落ち着くことが如何に大切かを学びましたよ。

tsun3 熊鈴、長寿命ライト、そして、防寒着、食料。
どうせ無駄になると思いながら持っていったものが、思っていた以上に役立ちました。食料なんか、あると無いとでは精神的な余裕が全然違ったと思いますね〜。食料だけなら明日の昼間で持つぞという安心感は本当に大きかった。^^;;
それと、高精度なGPSも本当に助かりましたね。
月の無い真っ暗な山の中で動けたのは、光があったこともさることながら、現在地を確実に掴めた事が本当に心強かったですよ。
楽しいことだけに、お互い慎重に行きましょう。
by すんぷ (2013-01-14 23:08) 

重ちゃん

よくぞ帰ってきましたね。レンジャーか?
10年ほど前は渓流釣りで山奥に一人で行くことがありましたが、家内はあんまりいい顔はしなかったですね。

by 重ちゃん (2013-01-16 12:58) 

すんぷ

重ちゃん3 必死というのはすごいですね。
絶対登り返せないと思っていた斜面も、一歩一歩、少しずつ進んだらなんとか登り切ってました。
たぶん普通の神経では登れなかったと思います。
でも、待っている人が居るというのはパワーになりますね^^
by すんぷ (2013-01-18 06:18) 

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