F1 2008-18 ブラジルGP 決勝観戦記 [RACE]
これが演出だったらすごいね。
映画だったら、最後の最後にどんでん返しっていう奴だ。
実際、マッサがゴールしてしばらくは、二年連続で1点差でタイトルを逃すのかぁ。
って、ハミルトンを哀れんでいたんだからね。
レースは、ハミルトン(マクラーレン)が五位以内に入れば、
マッサ(フェラーリ)が優勝しても、
ハミルトンが年間タイトルを獲得するという条件で始まった。
そこに、まず、ブラジルの気紛れな雨がいろどりを添えた。
スタート直前にコース半分にざっと雨が降る。
波乱の展開を予想させた。
それが原因の一つになって、
1コーナーでのアクシデントでセーフティーカーの登場。
この結果として、フィジケラが上位陣の中に飛び込む事態になる。
ハミルトンは大事にレースを進めなければならないから、
いつものような思い切りの良い走りは全く見られない。
マッサを援護するフェラーリチームメイトのライコネンは
しっかりと仕事をこなしてハミルトンより前に位置している。
だが、ハミルトンを援護するはずのコバライネンは深く沈む。
盤石の走りをするマッサに隙は見えず。
ハミルトンがワンミスすればマッサに年間タイトルが転がり込む。
フェラーリに風が吹いているかのような流れだ。
そして、少しダルな中盤の展開を終えて、
ハミルトンが必死に五位以内キープを続け、
フェラーリへの風が消えかかったと思えたとき、
ドラマを演出する雨が再び落ちてくる。
大事にレースを運んでいるハミルトンの後に、
元気印のヴェッテルがペースを揚って迫っていたことも、
緊迫感に拍車を掛ける。
雨にならなければ、いくら攻められても抜かれることはなかっただろう。
しかし、今の雨のヴェッテルは無敵だ。
ハミルトンはヴェッテルに前に行かれてしまう。
しかも、タイヤを替えずにステイアウトしたトヨタのグロッグがハミルトンの前に出ていて、
残り数周でハミルトンはなんと六位に落ちてしまう。
「あ、これ、マッサがタイトルじゃん」
六位になったハミルトンがあと数周で再び五位のヴェッテルの前に出るのは、
どう考えても不可能だった。
今のままハミルトンが六位で入れば、
二年連続でハミルトンは1点差でタイトルを逃すのだ。
哀れな奴だ と 正直思ったよ。
そしてハミルトンはヴェッテルを交わす可能性を見いだせないまま、
40秒前を走っていたマッサはトップでゴール。
地元のレースで優勝 そして 年間タイトルを獲得した瞬間だった
はずだった。
そう、誰もがそれを信じて疑わなかった。
だが、ドラマはマッサが勝つことを望んでいなかった。
喜び抱きしめ合うマッサの家族の顔を引きつらせる事態を演出していた。
タイヤを替えずにステイアウトしたグロッグ。
降り続く雨が彼のタイヤのグリップを極端に奪っていた。
四位を走っていたグロッグはラストラップのラストコーナーで、
ヴェッテル そして ハミルトンに道を譲ることになってしまったのだ。
ラストコーナーから立ち上がってきたハミルトンが五位でフィニッシュした瞬間。
マッサにほほえんでいたはずの勝利の女神が、マッサにアッカンベーをしたのだ。
だい どん でん 返し!!!
二年連続 できすぎな展開だったね。
キュウテンの話とかの先に書く気になったんだからさ。
ま、どちらのドライバーも好きではないので、
自分の中での盛り上がりはいまいちだったけどね。
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